製造工程
鋳造工程
ロボットによる離型剤散布、製品取り出し、トリミングまでの自動化を基本とした鋳造形態となっております。
又、一部のマシンではショットブラストとの同期化でリードタイムの短縮とコスト低減に努めております。
ダイカストとは
ダイカスト(Die Casting)は、製品形状が精密に彫り込まれた金型をダイカストマシンに取り付けて溶融したアルミニウム合金、亜鉛合金、マグネシウム合金などを金型に高速なお且つ高圧で注入する鋳造法である。
ダイカスト法
1.コールドチャンバーダイカスト法
弊社ではアルミニウム溶湯を高速、高圧で金型内へ注入し成形する中で、鋳造欠陥となるブローホールやヒケ巣、割れ等の対策の一環で真空法、部分加圧法及び間欠冷却装置などを独自に組み合わせた鋳造を特徴としています。

2.スクイズダイカスト法
1).溶湯鍛造とも呼ばれ、コールドチャンバーと異なり低速及び高圧で金型内へ注入されるためゲート断面積が非常に大きいのが特徴となっている。
溶湯の凝固形態も指向性凝固を特徴ととし、溶湯が凝固する過程で発生するヒケ巣を潰しながら成形することで非常に緻密度の高い製品が得られます。
また、材質も多種対応が可能。(ADC-12、ADC-14、AC4C、AC4CH、純AL他)
2).スクイズ鋳造(横型・縦鋳込み)は真下に射出機構があり、溶湯が下から上へと規則的に注入されることからガス抜き性も良く巻き込み巣が無いことから高品質な製品製造が可能。
・機械的性質の向上 : 引張強さ、伸び、耐力など
・熱処理(T6)可能 : 機械的性質及び硬度が更にアップ

スクイズダイカストメカニズム
3.ホットチャンバーダイカスト
加圧室(射出機構)が溶湯内に常時浸漬しているため、融点の低い亜鉛合金や鉄と殆ど反応 しないマグネシウム合金に用いられている。
マグネシウムダイカスト AZ91D、AM50、AM60

マグネシウム合金ダイカストは、大物製品や耐圧製品(肉厚)などはコールドチャンバーが、小物製品や肉薄製品などはホットチャンバーが主に用いられます。
ホットチャンバーはコールドチャンバーに比べ、溶湯保温炉とダイカストマシンが一体化となって射出機構が溶湯内にあることから給湯する必要がないので、鋳造サイクルが早く、酸化物や空気の巻き込みが少ない。
また、鋳造圧力が低いので、コールドチャンバーマシンに対し、マシンのダウンサイジング化が図れる。
<トリミングプレス>
製品部以外のゲート&ランナーの切り離しと鋳バリの除去を行う。
コールドチャンバーダイカストでは、ホットプレスを主体とし、ロボットで鋳造品を取り出した直後にプレスへ挿入し、トリミングする。
トリミング法各種
トリミングプレス型は高精度な技術によってバリ取り作業を合理化し、コスト低減に努めて います。
ショットブラスト
鋳バリや製品表面の汚れ等を除去する目的で用途に応じてブラスト処理を行なう。
2).ドラム式ブラスト

また、製品同士の共磨りとメディア投射とのコラボによりバリ取り効果が倍増。
・・・2台所有
・メディア : φ1.0純アルミカットワイヤー
φ0.4Zn合金カットワイヤー
バリ取り仕上げ&検査
バリ取りを含め、鋳造欠陥(外観)の全数検査を施し、 不良の流出防止を図っている。
検査品全て標準書(過去トラ内容含む)に基づいて実施しております。 画像
<機械加工>函南工場
一般的なマシニングセンター、NC旋盤、タッピングマシンなどでダイカスト素材に付加価値を施した加工が多くなっている中、弊社では恒温室設備もあり高精度な加工にも日頃、挑戦しております。
(右写真はロボットによる24h無人加工設備)
<含浸処理設備>有機含浸
機械加工後の切削面に発生する鋳巣によって通路同士 の導通や外壁への漏れなどを埋めることを目的とする処置である。
特に高圧で使用するものや微量な漏れも嫌う重要保安部品などの処理にも適用されます。
・含浸液 : アクリル系樹脂含浸剤(熱硬化性)
<熱処理設備>溶体化炉、時効炉
1).スクイズキャスト法で鋳造された製品の熱処理に 使用。
・T6処理 : 溶体化処理(500℃~530℃) → 水冷 → 時効処理(180℃~220℃) → 空冷
・アニール処理 : 製品の歪み取り
鋳造での凝固冷却時に発生した残留応力を除去し、寸法の安定化を図る。
・処理温度 : 200℃~250℃(2h~4h)
<完成品検査>受入・出荷
各工程を経て完成された製品の検査を行ない、品質保証されたものを供給させていただいております。